Mar_Coによるマンモグラフィのもろもろ

放射線技師対象に作成していますが、受診者さまが思っておられる素朴な疑問についても記載していきます。

乳腺腫瘍の組織学的分類の大きな変更点

 

前置き

こんばんは。

今日は

「え?そうなの?」

とちょっと戸惑う方もいらっしゃるネタかもです。

特に普段乳腺診療にかかわっていない方は知らない方が多いかもしれません。

組織学的分類の勉強は必須です。
こちらの画像(↓)は

f:id:Mar_Co:20200615122402j:plain

乳癌取扱い規約

 

乳癌取扱い規約と呼ばれるものでバイブルのようなものです。

 

現在18版まで出てますが、改訂ペースめっちゃはやいのでお財布に全然優しくありません。

私は技師ですが、病理の勉強もそれなりにしてきましたのでこの書籍は必ず改訂ごとに購入してます。

 

 

変更前

組織学的分類もきっちり全部覚える必要がありますが、中でも基本的なものは

悪性には
1 非浸潤癌
2 浸潤癌

があって

1.非浸潤癌は

    a. 非浸潤性乳管癌
    b. 非浸潤性小葉癌

に分かれ

2.浸潤癌は

    a. 浸潤性乳管癌
    b. 特殊型

に分かれて・・・・・

なんて覚えていたと思いますがこれ変わってます!
頑張って覚えましたよね、きっと。

しかし変わりました。

 日本乳癌学会編の乳癌取扱い規約 第17版より一部引用です。

(ここから上は略)
1 非浸潤癌

         a. 非浸潤性乳管癌
         b. 非浸潤性小葉癌
2 浸潤癌 
         a. 浸潤性乳管癌
       a1. 乳頭腺管癌
       a2. 充実腺管癌
               a3. 硬 癌
      b. 特殊型
        (以下略)
                        この分類は古いです!

組織型を意味なく覚えているわけではなくちゃんと理解している方は新版でもすぐに対応できると思います。

 

変更後(お急ぎの方はこちらだけでもどうぞ)

17版と18版の同じページを見比べてみましょう。手元の書籍をセンスなく写真撮影したものです💦。

赤色と青色で囲ってるところを見てみてください。

画像1

なんか違いますね。

まず微小浸潤癌がイン(赤枠)

そして、おなじみの青色枠部分、

a1. 乳頭腺管癌
a2. 充実腺管癌
a3. 硬癌


(1) 腺管形成型
(2)充実型
(3)硬性型
(4)その他

と変わってます。
こんな風に書いていいのかわかりませんが、雰囲気的には間違ってないと思いますので一応記載してみます。

 

      a1. 乳頭腺管癌   →  (1) 腺管形成型
a2. 充実腺管癌    →    (2) 充実型 
       a3. 硬     癌     
 →    (3) 硬性型        
                                 → (4) その他         


にかわってます。
他にも大きく変わってますので、必ずチェックが必要です。

最低でも今日記載したことは知っておくべき項目です。

古いテキストや過去の知識で勉強されてる方は戸惑うかもしれませんよ。
2018年に改訂になりました。